気候カルテルは司法委員会の調査から逃げ回る
前回に続き、2024年6月に米下院司法委員会が公表した気候カルテルに関する調査報告書についてお届けします。
今回は、司法委員会の調査に対して気候カルテルが逃げ回って回答を出さなかったり、ようやく出てきた回答が大変不誠実なものだったということについて紹介します。
Ceresは、気候カルテルが「エンゲージメントの調整、追跡、サポート」および「今後の投票の監視」に使用している、パスワードで保護されたウェブプラットフォーム「Ceres投資家ポータル」を運用している。 Ceres投資家ポータルには、Ceresが行っているすべてのエンゲージメント (提案、対話、書簡) の完全なデータベースが含まれている。
Ceres 投資家ポータルは気候カルテルの活動や独占禁止法違反の可能性にとって中心的な存在であり、委員会の召喚状で要求されたにもかかわらず、Ceresはこれらの資料の提供を拒否した。委員会が繰り返し要請したにもかかわらず、現在までCeresは委員会にCeres投資家ポータルを提供していない。
その代わりに、Ceres投資家ポータルに保存されたデータからエクスポートされたスプレッドシートで構成される3つの文書のみを提供した。Ceresが作成したこの限られた資料の形式は劣化しており、委員会の調査で合理的に使用できるものではなかった。
委員会が繰り返し要求しても回答を拒否したり誤魔化していたとのことです。企業に対してESGのG(ガバナンス)として膨大な量の情報開示や経営の透明性などを強要する気候カルテルが、司法委員会の調査から逃げ回るというのは噴飯ものです。このような連中の要求に対して、企業側が真面目に応える必要はないなと呆れてしまいます。
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