脱炭素の費用と効果を隠蔽するバイデン政権を共和党が猛烈批判
トランプ政権の誕生で、バイデン政権が推進してきたグリーンディール(米国では脱炭素のことをこう呼ぶ)は猛攻撃を受けることになる。
トランプ大統領だけではなく、共和党は総意として、莫大な費用がかかり効果も殆ど無いとして、グリーンディールに猛反対している。
下記動画は、ジョン・ケネディ上院議員が、バイデン政権のエネルギー庁長官に猛烈な質問をしているものだ。何と137万回以上も再生されている。短くて迫力満点のやりとりなので、ぜひご覧頂きたい。
概略は以下のような内容だ:
Q:2050年カーボンニュートラルというが、いったい何兆ドルかかるのか?
A:さまざまな前提によります・・・
Q:あなたはエネルギー庁長官なのに、知らないのか? では仮に50兆ドルとしよう。それで、気温は何度下がるのか?
A:世界の国々が協力する必要があります。米国が率先しなければいけません・・・
Q:何度下がるか知っているなら、言ってください。50兆ドルもかけて、何度下がるか、あなたは知らないのだ。
トランプ政権になれば、このような猛攻撃が至る所で繰り広げられることになり、グリーンディール関連の政府予算は大幅に削られ、規制は廃止されることになるだろう。
ちなみに日本も第7次エネルギー基本計画で2050年CO2ゼロを目指すとしているが、何兆円かかるのか、日本政府は明らかにしていない。GX実行計画だけでも10年で150兆円もかかるとしているので、これよりもはるかに大きくなることは必定だ。
また2050年CO2ゼロにしても気温低減の効果はせいぜい0.006℃しかないが、これすらも、日本政府は未だに認めていない。日本保守党の島田洋一衆議院議員が質問主意書で政府に問い質したが、政府ははぐらかして、まともに答弁していない。
■

関連記事
-
前回に続いてルパート・ダーウオールらによる国際エネルギー機関(IEA)の脱炭素シナリオ(Net Zero Scenario, NZE)批判の論文からの紹介。 A Critical Assessment of the IE
-
きのうのアゴラシンポジウムでは、カーボンニュートラルで製造業はどうなるのかを考えたが、やはり最大の焦点は自動車だった。政府の「グリーン成長戦略」では、2030年代なかばまでに新車販売の100%を電動車にすることになってい
-
シェブロン、米石油ヘスを8兆円で買収 大型投資相次ぐ 石油メジャーの米シェブロンは23日、シェールオイルや海底油田の開発を手掛ける米ヘスを530億ドル(約8兆円)で買収すると発表した。 (中略) 再生可能エネルギーだけで
-
カリフォルニア州でディアブロ・キャニオン原発が2025年までに停止することになった。これをめぐって、米国でさまざまな意見が出ている。
-
「気候変動の真実 科学は何を語り、何を語っていないか」については分厚い本を通読する人は少ないと思うので、多少ネタバラシの感は拭えないが、敢えて内容紹介と論評を試みたい。1回では紹介しきれないので、複数回にわたることをお許
-
石炭火力発電はCO2排出量が多いとしてバッシングを受けている。日本の海外での石炭火力事業もその標的にされている。 だが日本が撤退すると何が起きるのだろうか。 2013年以来、中国は一帯一路構想の下、海外において2680万
-
IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 エルニーニョ現象、ラニーニャ現象は、世界の気象を大きく変
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間