防災投資がハリケーンからルイジアナを守った

2021年09月02日 07:00
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

Elen11/iStock

ハリケーン・アイダがルイジアナ州を襲ったが、16年前のハリケーン・カトリーナのような災害は起きなかった。防災投資が奏功したのだ。ウォール・ストリート・ジャーナルが社説で簡潔にまとめている。

ハリケーン・アイダは日曜日、カテゴリー4(米国のカテゴリーは1から5に分けられており、カテゴリー4は上から2つ目)のハリケーンとしてルイジアナに上陸し、強い暴風雨をもたらした。

だが16年前のハリケーン・カトリーナのように、高潮がニューオリンズの堤防を破壊し、町を水没させることは無かった。カトリーナは、上陸時にはカテゴリー3であり1ランク弱いハリケーンであったに過ぎないが、約2,000人の死者と推定1,250億ドルの損害を出した。

今回ルイジアナ州が救われたのは、州政府と連邦政府がその後145億ドルを投じて、防潮堤、堤防、排水システムを強化したおかげだった。いくらかの浸水はあったが、ニューオリンズでは堤防の決壊などによる重大な被災は無かった。

環境運動家やメディアはすぐにハリケーンを地球温暖化のせいにするが、これはあたらない。ハリケーンは統計的には増えてもいないし強くなってもいない。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)でもハリケーンに明確なトレンドは観測されてないとしている。台風も同様だ。

さて思い返せば、日本でも、カスリーン台風の再来であった東日本台風(=当初は令和元年台風19号と呼ばれた)の豪雨から東京を守ったのは、八ッ場ダムなどの防災投資だった。

その一方で、数十兆円をかけて日本のCO2を2050年にゼロにしても豪雨は1ミリも減らない。

地球温暖化があってもなくても、強い台風やハリケーンは何時かやってくる。大事なのは防災にきちんと投資しておくことだ。

■

クリックするとリンクに飛びます。

「脱炭素」は嘘だらけ

This page as PDF
アバター画像
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

関連記事

  • 地球温暖化による海面上昇ということが言われている。 だが伊豆半島についての産業総合研究所らの調査では、地盤が隆起してきたので、相対的に言って海面は下降してきたことが示された。 プレスリリースに詳しい説明がある。 大正関東
  • 東京都に引き続いて川崎市も太陽光パネルの住宅への設置義務条例を審議している。まもなく3月17日に与野党の賛成多数で可決される見込みだ。 だが太陽光パネルには問題が山積していることはすでにこの連載で述べてきた。 そして自身
  • エネルギー(再エネ)のフェイクニュースが(-_-;) kW(設備容量)とkWh(発電量)という別モノを並べて紙面解説😱 kWとkWhの違いは下記URL『「太陽光発電は原子力発電の27基ぶん」って本当?』を
  • 2020年はパリ協定実施元年であるが、世界はさながら「2050年カーボンニュートラル祭り」である。 パリ協定では産業革命以後の温度上昇を1.5度~2度以内に抑え、そのために今世紀後半に世界全体のカーボンニュートラルを目指
  • 米国では発送電分離による電力自由化が進展している上に、スマートメーターやデマンドレスポンスの技術が普及するなどスマートグリッド化が進展しており、それに比べると日本の電力システムは立ち遅れている、あるいは日本では電力会社がガラバゴス的な電力システムを作りあげているなどの報道をよく耳にする。しかし米国内の事情通に聞くと、必ずしもそうではないようだ。実際のところはどうなのだろうか。今回は米国在住の若手電気系エンジニアからの報告を掲載する。
  • 何かと気候危機だと騒ぐのが好きな日経新聞がまたやらかした。 こんな記事があった。東京の8月の蒸し暑さが東南アジアの都市並みに匹敵するようになったということだ。 東京の夏の暑さは東南アジア級 もう働けない、労働損失は年28
  • いつか来た道 自民党総裁選も中盤を過ぎた。しかしなかなか盛り上がらない。 5人の候補者が口を揃えて〝解党的出直し〟といっているが、その訴えが全く響いてこない。訴求力ゼロ。 理由は明確だ。そもそもこの〝解党的〟という言葉だ
  • 中国の原子力発電は米国より遥かに安い。衝撃的な図が公開された。 図は、サブスタックのEnergy Bad Boysによるものだ。わりと最近に出来たブログだが、毎回とても印象的な図を掲載してくれていて重宝する。 図の元のデ

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑