石炭叩き真最中の日本を尻目に米国は石炭の輸出ブーム
コロナ後の経済回復を受けて米国で石炭ブームになっている。米国エネルギー省の見通しによると、今年の石炭生産量は6億1700万トンに上り、1990年以降最大になる見通しである(p47 table 6)。
更に、アジアでの旺盛な石炭需要の伸びを受けて、米国の輸出量はコロナで低迷した2020年の6910万トンから、2021年は8380万トン、2022年には9910万トンへと伸びる見通しである(図は四半期ごとの石炭輸出量予測。単位は100万トン)。
これは日本の年間石炭消費量の半分以上の量だ!
日本は米国バイデン政権に圧力を掛けられて海外の石炭事業から撤退したり国内の石炭火力発電を減らしたりしているが、そのアメリカが結構な量の石炭輸出を続けているなんて、何かおかしくないか?
日本だって経済や安全保障といった国益が懸かっているのだから、おめおめ言いなりになっている場合ではない。
■
関連記事
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 前稿で、現代の諸問題について現役の学者・研究者からの発言が少ないことに触れた。その理由の一つに「同調圧力」の存在を指摘したが、大学が抱えている問題はそれだけではない。エネルギー
-
検証抜きの「仮定法」 ベストセラーになった斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(以下、斎藤本)の特徴の一つに、随所に「仮定法」を連発する手法が指摘できる。私はこれを「勝手なイフ論」と命名した。 この場合、科学的な「仮説」と「
-
昨年10月に公開された東京電力社内のテレビ会議の模様を見た。福島第一原発免震重要棟緊急対策室本部と本店非常災害対策室とのやりとりを中心に、時々福島オフサイトセンターを含めたコミュニケーションの様子の所々を、5時間余り分ピックアップして、音声入りの動画を公開したものだ。また、その後11月末にも追加の画像公開がなされている。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
4月13日 ロイター。講演の中で橘川教授は「日本のエネルギー政策を決めているのは首相官邸で、次の選挙のことだけを考えている」と表明。その結果、長期的視点にたったエネルギー政策の行方について、深い議論が行われていないとの見解を示した。
-
言論アリーナ「エネルギー問題の先送りはもうやめよう」を公開しました。 ほかの番組はこちらから。 新潟県知事選挙では与党推薦の花角候補が辛勝し、柏崎刈羽原発の再稼動に道が開けました。しかし原子力には積み残した問題が多く、前
-
アゴラ研究所の運営するGEPRはサイトを更新しました。
-
7月1日からスーパーやコンビニのレジ袋が有料化されたが、これは世界の流れに逆行している。プラスチックのレジ袋を禁止していたアメリカのカリフォルニア州は、4月からレジ袋を解禁した。「マイバッグ」を使い回すと、ウイルスに感染
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間