人工説隠蔽のコロナと嘘だらけの脱炭素はよく似ている
1.コロナ人工説への弾圧と変節
コロナウイルスが武漢研究所で人工的に作られ、それが流出したという説が俄かに有力になってきた。
かつては、コロナ人工説は「科学の否定」であり「陰謀論」だという意見がCNNなどのリベラル系が優勢な世界のメディアを支配した。
フェイスブックなどのSNSはそれを虚偽情報だとして削除した。
最も権威ある医学誌ランセットでも27名の有力な科学者の署名による意見広告で人工説は科学的ではないと断じた。
国連機関WHOも武漢研究所への現地調査の結論として人工説を否定した。
人工説を当初から唱えていた有力な科学者はいた。トランプ政権も人工説を唱えた。だが彼らは科学を無視する陰謀論者だとして、メディアやSNSに攻撃され、時には脅迫を受けた。
だが「人工説が正しいのではないか」という疑念をもった多くの人々のたゆまぬ努力により、立場は逆転した。
ニューヨークタイムズもフェイスブックも立場を変えた。しかし、かつて自分たちが人工説を否定し検閲したことへの反省は全く見られない。見事な手のひら返しだ。
以上の経緯は多くの方がすでにまとめている。例えば、ニューヨークタイムズの手のひら返しについては山口敬之氏、フェイスブックの変節については大原浩氏、ランセットが人工説を「非科学、陰謀論」としたことは朝香豊氏の記事を、独立な科学者による真相究明の努力は鎌田慈央氏の記事を参照されたい。
2.温暖化懐疑論への弾圧と・・変節?
以上の話は筆者が専門にしている温暖化問題と実によく似ている。
いま先進国はいずれも2050年にCO2ゼロだ、脱炭素だと宣言しているが、実はそんな極端な目標を支持するような科学的知見はどこにもない。
気候変動が起きていて災害が激甚化してという説が流布されているが、そもそも災害の激甚化なるものが統計的に観測されていない。
だが地球は「気候危機」にあって「脱炭素」が必要だという意見は、
- リベラルメディア(CNN、NHKなど)
- SNS(フェイスブックなど)
- 学界組織(ランセット、ネイチャーなど)
- 国連機関(UNEP、UNDPなど)
の連合軍によって強力に流布されている。コロナ人工説を否定したのと同じ顔ぶれだ。
気候危機など存在しないという意見は、
- 多くの独立な科学者
- 米国共和党(トランプ大統領が例外なのではない)
によって支持されてきたが、「科学を無視している」として弾圧され、検閲を受けている。これまた、コロナ人工説を唱えたのと同じ顔ぶれだ。
だがいま、脱炭素を目指すと莫大な経済的負担が生じることが明らかなるにつれ、人々は反発する気持ちを高めてきた。スイスでは国民投票で脱炭素法が否決され、英国では与党保守党の元ブレクジット大臣が政権に公然と反旗を翻した。
このため、気候危機なる「科学」にも疑いの目が向けられ、嘘だらけの脱炭素政策の実態が暴かれる日は近いと見る。
その時が至れば、メディアはまた一斉に変節するのだろうか。
■
関連記事
-
前回、前々回の記事で、企業の脱炭素の取り組みが、法令(の精神)や自社の行動指針など本来順守すべき様々な事項に反すると指摘しました。サプライヤーへの脱炭素要請が優越的地位の濫用にあたり、中国製太陽光パネルの利用が強制労働へ
-
IPCCの報告がこの8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 前回に続き、以前書いた「IPCC報告の論点③:熱すぎるモ
-
はじめに 欧州の原子力発電政策は国ごとにまちまちである。昔は原子力発電に消極的だったスウェーデンが原子力発電を推進する政策を打ち出しているのもおどろきだが、ドイツの脱原発政策も異色である。 原子力発電政策が対照的なこの2
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 エネルギー問題を議論する際には、しばしば供給側から語られる場合が多い。脱炭素社会論でも、もっぱら再エネをどれだけ導入すればCO2が何%減らせるか、といった論調が多い。しかし、そ
-
以前、中国製メガソーラーは製造時に発生したCO2の回収に10年かかると書いた。製造時に発生するCO2を、メガソーラーの発電によるCO2削減で相殺するのに、10年かかるという意味だ(なおこれは2030年のCO2原単位を想定
-
気候関係で有名なブログの一つにClimate4youがある。ブログ名の中の4が”for”の掛詞だろうとは推測できる。運営者のオスロ大学名誉教授Ole Humlum氏は、世界の気候データを収集し整理して世に提供し続けている
-
森喜朗氏が安倍首相に提案したサマータイム(夏時間)の導入が、本気で検討されているようだ。産経新聞によると、議員立法で東京オリンピック対策として2019年と2020年だけ導入するというが、こんな変則的な夏時間は混乱のもとに
-
東京電力の福島復興本社が本年1月1日に設立された。ようやく福島原発事故の後始末に、東電自らが立ち上がった感があるが、あの事故から2年近くも経った後での体制強化であり、事故当事者の動きとしては、あまりに遅いようにも映る。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間