今週のアップデート - 存続のもんじゅの行方(2016年5月30日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」について、文部科学省に置かれた有識者会議が存続の方向でまとめました。しかし運営主体と資金の問題については触れませんでした。この問題について、アゴラ研究所の所長である池田信夫さんがまとめています。
アゴラチャンネル「言論アリーナ」の記事化です。九州地震と川内原発、福井県の高浜原発の安全性をめぐる裁判所判断、原子力規制委員会の活断層認定など地震と原子力発電をめぐるさまざまな問題が出ています。原子力の安全の専門家である北海道大学の奈良林直先生に話をうかがいました。
ポルトガルが5月初旬の4日半、再エネで全電力を供給しました。その事情は不明点も多いのですが、再エネの可能性を示すものです。英語ニュースなどからまとめました。
NGO日本ダイベストメント。投稿をいただきました。日本の石炭使用の拡大を懸念しています。細かな事実認識に差はあるものの、この問題は立場を越えて考えなければいけません。
今週のリンク
文部科学省。16年5月27日公表。高速増殖炉の実験炉であるもんじゅについて、同省が有識者会議をまとめました。存続の結論ですが、その資金、運営主体について明確なものが出ていません。(参考・NHK報道記事)
経産省・資源エネルギー庁。16年5月25日。固定価格買取制度で、現在まだ発電をしていない設備は、入札制にして安い電源から買い取りになります。負担抑制が狙いとされます。(参考・日経記事)
米国エネルギー情報機構(EIA)(民間の調査機関)5月24日記事。米国が原油とガスの生産で、15年も4年連続で世界1位になったことが確認されました。2位はロシア、3位はサウジです。原油価格の低迷でも、シェール革命による産出増は継続しています。
ニューヨークタイムズ5月27日記事。共和党の大統領候補になることが確実視されているトランプ氏がエネルギー政策について演説しました。原題は「Donald Trump’s Energy Plan: More Fossil Fuels and Fewer Rules」。化石燃料の増産、規制緩和など、現政権と真逆の取り組みを打ち出しました。
5)【シリーズ エネルギーを考える】放射線より避難リスクが心配
産経ビズ、5月26日記事。東大の中川恵一准教授がインタビューに答え、福島原発事故のリスクと健康について語っています。繰り返し語り、社会に定着させなければなりません。
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経済産業省は再生可能エネルギーの振興策を積極的に行っています。7月1日から再エネの固定価格買取制度(FIT)を導入。また一連のエネルギーを導入するための規制緩和を実施しています。
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文藝春秋の新春特別号に衆議院議員の河野太郎氏(以下敬称略)が『「小泉脱原発宣言」を断固支持する』との寄稿を行っている。その前半部分はドイツの電力事情に関する説明だ。河野は13年の11月にドイツを訪問し、調査を行ったとあるが、述べられていることは事実関係を大きく歪めたストーリだ。
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電力中央研究所の朝野賢司主任研究員の寄稿です。福島原発事故後の再生可能エネルギーの支援の追加費用総額は、年2800億円の巨額になりました。再エネの支援対策である固定価格買取制度(FIT)が始まったためです。この補助総額は10年の5倍ですが、再エネの導入量は倍増しただけです。この負担が正当なものか、検証が必要です。
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原子力をめぐる論点で、専門家の意見が分かれているのが核燃料サイクルについての議論です。GEPRは多様な観点から問題を分析します。再処理は進めるにしても、やめるにしても多くの問題を抱えます。
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