今週のアップデート - 中国原子力産業の拡大(2015年6月22日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
中国の原子力産業の現状はどうなっているのか。永崎隆雄・元日本原子力研究開発機構(JAEA)北京事務所長に寄稿をいただきました。東芝・ウェスティングハウス社の技術、そして大量の中国国内の建設計画、輸出の支援によって、世界を市場に成長が見込めるそうです。
原子力規制の改革に、与党自民党が前向きです。原子力規制委員会設置法の施行3年目の見直しが予定される中で、原発立地地域の議員を中心に、党内での意見が固まりつつあるそうです。しかし、世論との関係、党内での慎重意見があり、まだ先行きは見通せません。
今週のリンク
米国科学アカデミーが今年3月に公表したリポート。原題は「Climate Intervention」。プレスリリース。ジオ・エンジニアリングという工学的な気候変動への対応について、否定的な見解をまとめていることで、話題になっています。
ロイター通信6月19日配信(英語)。サウジアラビアが各国と原子力協定を結び、国内に原子炉作りを進めています。売り物の石油を国内で使わず、また将来的な脱石油をにらんでの動きでしょう。またロシアはプーチン大統領が原発輸出を首脳外交の議題にするなど、売り込みに積極的です。
澤昭裕国際環境経済研究所所長のブログ。ハフィントンポスト6月20日記事。ドイツは景観、また効率的に投資を行うための規制が行われているのに、日本はなかなかそれが実現していません。
軍事アナリスト小川和久氏。ポリタスの論考。「潜在的核武装技術を保持するために、原発の新・増設やリプレースを行い、原発を維持すべき」という議論があります。しかし専門家の分析として、現在の日本では、核武装の体制がまったくできていないという指摘ですし、議論そのものがナンセンスとしています。
毎日新聞6月22日社説。日本のエネルギー自給率は4%。軍備はその確保のために存在すべきなのに、結びつけてはいけないという驚くべき質の低い議論です。日本のメディアのエネルギーをめぐる議論のレベルを示す材料として紹介します。
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GEPRの運営母体であるアゴラ研究所は映像コンテンツである「アゴラチャンネル」を提供しています。4月12日、国際環境経済研究所(IEEI)理事・主席研究員の竹内純子(たけうち・すみこ)さんを招き、アゴラ研究所の池田信夫所長との対談「忘れてはいませんか?温暖化問題--何も決まらない現実」を放送しました。 現状の対策を整理し、何ができるかを語り合いました。議論で確認されたのは、温暖化問題では「地球を守れ」などの感情論が先行。もちろんそれは大切ですが、冷静な対策の検証と合意の集積が必要ではないかという結論になりました。そして温暖化問題に向き合う場合には、原子力は対策での選択肢の一つとして考えざるを得ない状況です。
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