今週のアップデート - 温暖化交渉、日本はどうする?(2015年4月27日)
アゴラ研究所の運営するバーチャルシンクタンクGEPRはサイトを更新しました。今週はエネルギーミックスと温暖化問題について取り上げています。また連休中の5月4日の更新はお休みします。
今週のアップデート
アゴラの運営する映像番組「言論アリーナ」の報告。杉山大志(電力中央研究所上席研究員・IPCC第5次報告書統括執筆責任者)、竹内純子(国際環境経済研究所理事・主席研究員)、司会は池田信夫(アゴラ研究所所長)の各氏が出演しました。原子力、再エネ支援、エネルギーコスト削減など、決めるべき事を決めず走っている温暖化交渉の問題点を洗い出しました。
言論アリーナの映像です。
元三菱重工の技術者である大野崇氏に寄稿をいただきました。米国の規制と比べ、独善性が目立つことを憂いています。失敗が続く以上、米国に学ぶことが必要です。
今回言論アリーナに出演した、竹内純子さんの寄稿です。各国は見栄えのよい数字を出す工夫を重ねています。それにつられて日本が数字を膨らますことは愚かな行為でしょう。
池田信夫アゴラ研究所所長の論考です。今回言論アリーナに出演した、杉山大志さんの著書の論評。コスト分析が日本のエネルギー政策で、まったくなされていない問題を、杉山氏も池田氏も、問題であると指摘しています。
今週のリンク
産経新聞4月26日記事。4月22日、九州電力川内原発の運転差し止めの仮処分申請が、却下されました。関電高浜原発で福井地裁が認めたのと、対照的な判断でした。その意見について、各紙の論調を産経がまとめています。読み比べると、新聞の意見は、原発への疑問に片寄っている傾向があると、分かります。
2)原発再稼働にブログで焦り 「突発的行動」も 官邸にドローン、逮捕の容疑者
朝日新聞4月26日記事。首相官邸屋上に、小型無人ヘリドローンが落下した事件で警視庁は福井県の男性を逮捕しました。原発再稼動に反対するという目的のようですが、こうした騒擾は、エネルギー政策を混乱させるだけでしょう。
3)ヒラリー・クリントン、外国政治献金でメディアの質問に向き合う(英語記事)
ポリティコ(米政治メディア)4月23日掲載。2016年の米大統領選の有力候補であるヒラリー・クリントン氏にロスアトムなどロシアの原子力企業の献金が、夫のクリントン元大統領の財団から流れていたのではという疑惑です。ロスアトムの米国のウラン企業買収に絡むのではないかという指摘。どの国でも、エネルギーと政治の距離が近いことが分かる報道です。
読売新聞4月25日記事。温室効果ガスについて、政府の目標案の推測記事。20%台の上下で政府・与党を巻き込んだ議論が続くでしょうが、25%前後に落ち着くと思われます。
池田信夫アゴラ研究所所長。アゴラ4月24日。ベースロード電源という言葉が最近、メディアなどで出ますが、エネルギーの議論では「価値判断」は含まれず、出力の変えられない電源という意味しかありません。言葉の使用に注意すべきでしょう。
関連記事
-
GEPR再掲載、14年6月30日。原子力学会事故調査委員会で、地震部分を執筆した宮野氏の寄稿。地震で福島原発は壊れていない。
-
13年1月記事。米国の電力自由化と、復旧の遅れの問題を取り上げている。日本のエネルギー産業も、システム改革・自由化の中でこの問題に直面するかもしれない。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPRはサイトを更新しました。また8月2日の更新はお休みさせていただきます。 今週のアップデート 1)福島県双葉町の復興に向けたまちづくり-「荒廃した農地の再生モ
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
東京大学公共政策大学院教授の関啓一郎氏に、「電力・通信融合:E&Cの時代へ — 通信は電力市場へ、電力は通信融合に攻め込めもう!」というコラムを寄稿いただきました。関教授は、総務官僚として日本の情報通信の自由化や政策作成にかかわったあとに、学会に転身しました。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
福島第1原発事故から間もなく1年が経過しようとしています。しかしそれだけの時間が経過しているにもかかわらず、放射能をめぐる不正確な情報が流通し、福島県と東日本での放射性物質に対する健康被害への懸念が今でも社会に根強く残っています。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間