今週のアップデート - 正確に伝わらぬ福島の現状(2015年3月16日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
2) 【映像】なぜ正確な放射能情報が伝わらないのか–福島復興、現地調査をした専門家からの提言【言論アリーナ】
アゴラ研究所・GEPRは映像サイトの言論アリーナを運営しています。東日本大震災、東京電力第一原発事故から4年目となった3月11日に、この放送を行いました。高田純氏(札幌医科大学教授)、池田信夫氏(アゴラ研究所所長)が出演。司会は石井孝明氏(ジャーナリスト)。現地調査による福島の現状と、政策の妥当性を分析。福島では健康被害の可能性はないと、内外の専門家が一致しています。しかしそれは広がらず、非科学的な言説、デマが蔓延しています。そうしたものが社会を傷つけ、政策をゆがめていると出席者は一致して憂慮しました。
ポーランドの物理学者であるルードビーク・ドブジンスキ氏が福島を訪問。後述のシンポジウム参加、視察を行いました。同氏による寄稿です。ドブジンスキ氏はポーランド国立原子研究センター教育・訓練部長であることに加え、UNSCEAR (原子放射線の影響に関する国連科学委員会)ポーランド代表です。同団体は昨年、福島原発事故で健康被害の可能性はないという提言をまとめています。福島の人々の努力を評価しています。
福島産の食物を食べる営みについて、山間地でシンポジウムを行った地域メディエーターの半谷輝己さんの報告です。頭では危険はないと理解しているものの、さまざまな感情が現地に入り乱れているようです。
今週のリンク
NHK解説委員室。3月11日記事。避難者の聞き取りを続ける同室が避難者の声を伝えています。先の見えない不安を訴える人がかなり多くなっています。
アゴラ記事、12年3月。GEPR編集者、石井孝明のコラムです。福島をめぐって感情的な議論が続き、そしてそれに飽きた人たちは、捨てようとしています。残念ながら予想通りになりました。また冒頭記事「なぜ正確な放射能情報が伝わらないのか」で言及された事件です。
3)国際原子力機関(IAEA)による東京電力第一原発1~4号機の廃炉に向けた取組についてのレビュー
資源エネルギー庁。3月11日公表。IAEAの福島原発の評価報告です。もちろん健康被害の可能性は指摘せず、放射性物質の隔離などの進捗を評価しています。しかし汚染水問題の拡大に懸念を示しています。解決策の提案は示していません。
4)発電所物語「安全への取り組みに終わりはない-高浜発電所を訪ねて」
関西電力広報誌「躍」3月号。再稼動が九州電力川内原発の次に行われる見込みの関西電力高浜原発の状況です。写真によって分かりやすく説明されています。電力発の情報とはいえ、その努力は認めるべきでしょう。
ワシントンポスト3月9日記事。スイス人パイロット2人が3月、中東から太陽光発電による飛行機で、世界一周に挑戦を初めています。公式ウェブサイト。
関連記事
-
アゴラ研究所の運営するエネルギー・環境問題のバーチャルシンクタンクGEPRはサイトを更新しました。 今週のアップデート 1)社会に貢献する米国科学界(上)-遺伝子組み換え作物を例に 2)社会に貢献する米国科学界(下)-信
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクのGEPRは、サイトを更新しました。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギー調査機関の「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
原子力発電の先行きについて、コストが問題になっています。その資金を供給する金融界に、原発に反対する市民グループが意見を表明するようになっています。国際環境NGOのA SEED JAPANで活動する土谷和之さんに「原発への投融資をどう考えるか?--市民から金融機関への働きかけ」を寄稿いただきました。反原発運動というと、過激さなどが注目されがちです。しかし冷静な市民運動は、原発をめぐる議論の深化へ役立つかもしれません。
-
茨城大学理学部の高妻孝光教授は、福島第1原発事故以来、放射線量の測定を各地で行い、市民への講演活動を行っています。その回数は110回。その取り組みに、GEPRは深い敬意を抱きます
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
原発は「トイレのないマンション」とされてきました。使用済みの核燃料について放射能の点で無害化する方法が現時点ではないためです。この問題について「核燃料サイクル政策」で対応しようというのが、日本政府のこれまでの方針でした。ところが、福島第一原発事故の後で続く、エネルギーと原子力政策の見直しの中でこの政策も再検討が始まりました。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間