今週のアップデート - 原発停止、20年続けば55兆円の負担(2015年2月2日)

2015年02月02日 11:00

アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。

今週のアップデート

1) 原発の再稼動に55兆円もかけてよいのか

元東芝の技術者で、法制に詳しい諸葛宗男さんの寄稿です。原発の停止、審査の混乱が続き、全原発の稼働まで20年以上の時間がかかりかねません。大変な損害をどうすればよいのかの提言です。

2) 原子力規制の混迷がもたらす日本経済の危機【言論アリーナ報告】

アゴラ研究所の運営するネット放送「言論アリーナ」は1月28日、「原子力規制のもたらす日本経済の危機」を放送しました。その報告です。

3)ピントはずれる拡大中のエネルギー予算案–なぜ再エネに?

アベノミクスの影響で、エネルギー予算案が拡大しています。ところが原発停止という最大の問題に手つかず。そして水素エネルギー支援を拡充しています。ピントの外れた予算案に思えます。

4)原子力規制の混迷がもたらす日本経済の危機【言論アリーナ報告】

1月28日の放送の紹介です。

今週のリンク

1)Technology Roadmap: Nuclear Energy

OECDの1月30日公表のリポートです。要約によれば、先進諸国でも重要な電源ではあるものの、増設は難しいという指摘です。

2)The Middle East’s Next Nuclear Power?

米国の政治ニュースサイト、ポリティコから1月の記事。エネルギー不足に苦しむヨルダンが原発建設を検討していましたが、テロなどの危険があり、断念の可能性。日本人人質事件を考えれば、まだ危険な構想かもしれません。

3)経産省は電力会社に料金を粉飾させている

アゴラ掲載の池田信夫氏のコラムです。動かない原発を動いたことにして、電力料金を査定しています。これは明らかにおかしい取り組みです。

4)原子力の国民理解

岡芳明原子力委員長のコラムです。科学の専門家と国民の対話が、難しいことを指摘。この問題の解決を訴えています。原子力政策当局者の持つこの問題意識は、適切なものと言えるでしょう。

5)世界5都市対象 「地球温暖化に関する意識調査」

みずほ情報総研1月リポート。東京、ニューヨーク、ロンドン、上海、ムンバイの都市に住む20歳以上の男女を対象に行われました。(1)いずれの都市でも「実際に起きている」と考える人が大半、(2)地球温暖化の影響に備えている人の割合は、東京が最低、(3)地球温暖化対策に対して、いずれの都市でも適応よりも緩和が重要視されているという結果が出ました。落ち着きはじめた証拠でしょうか。

 

This page as PDF

関連記事

  • 本原稿は2012年5月の日本原子力産業協会の年次総会でバーバラ・ジャッジ氏が行った基調講演要旨の日本語訳である。ジャッジ氏、ならびに同協会の御厚意でGEPRに掲載する。
  • 原子力規制委員会の活動は、法律違反と言えるものが多い。その組織に対しては、やはり外からのチェックが必要であろう。
  • 福島第一原発事故の放射線による死者はゼロだが、避難などによる「原発関連死」は事故から2014年までの4年間で1232人だった(東京新聞調べ)。それに対して原発を停止したことで失われた命は4年間で1280人だった、とNei
  • アゴラ研究所の運営するネット放送「言論アリーナ」。 今回のテーマは幼稚化するエネルギー論争」です。 経団連がエネルギー問題で国民的な議論を呼びかけましたが、論争には感情論が多く、むしろレベルは劣化していています。この背景
  • 電力・電機メーカーの技術者や研究機関、学者などのOBで構成する日本原子力シニアネットワーク連絡会は3日、「原子力は信頼を回復できるか?」をテーマとしたシンポジウムを都内で開いた。ここでJR東海の葛西敬之会長が基調講演を行い、電力会社の経営状態への懸念を示した上で、「原発再稼動が必要」との考えを述べた。
  • はじめに アメリカがプルトニウムの削減を求めてきたとの報道があってプルトニウムのことが話題になっている。まず、日本がなぜプルトニウムを生産するのかを説明する。もちろん、高速炉が実用化されたらプルトニウムを沢山使うようにな
  • BLOGOS
    BLOGOS 3月10日記事。前衆議院議員/前横浜市長の中田宏氏のコラムです。原子力関係の企業や機関に就職を希望する大学生が激減している実態について、世界最高水準の安全性を求める原発があるからこそ技術は維持されるとの観点から、政治家が”原発ゼロ”を掲げることは無責任であると提言しています。
  • 原子力規制委員会が、JAEA(日本原子力研究開発機構)によるもんじゅの運営に対して不適切な行為が多いとして、「機構に代わってもんじゅの出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者を具体的に特定すること」と文部科学省に対して「レッドカード」と言える勧告を突きつけた。

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑