今週のアップデート — 原発を都知事選の争点にする無意味さ(2014年1月27日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
池田信夫アゴラ研究所所長の論考です。東京都知事選が始まりました。原発ゼロを公約にして細川護煕元首相が出馬しています。そこで示されたコストを巡る勘違い、そして原発をスケープゴートにする細川氏の問題を指摘しています。
2) エネルギーを政争の具としてもてあそぶな(上)— 小泉氏の発言を憂う
3) エネルギーを政争の具としてもてあそぶな(下)— 自然エネの技術的困難
都知事選で、小泉純一郎元首相が細川氏を支援しています。彼をはじめ、世の中に広がった疑問について、元東芝の技術者である益田恭尚氏が示しています。原子力関係者ですが、この疑問は当然のものです。
経済産業省は昨年末、エネルギー基本計画の素案を発表しました。原子力、電力料金など、元経産省の石川和男さんに分析いただきました。
今週のリンク
外務省25日公表文。
2)安保協議開始で合意=原子力協定、早期妥結に努力−日印首脳
時事通信25日記事。安倍首相が精力的な外交を進めています。原子力技術の供与を決める原子力協定の締結を早期に行うという声明を25日、インド政府と共同で発表しました。それに伴う原発輸出が可能になる一方、日本国内では原発輸出をめぐる是非の議論が広がりそうです。
3)米、日本にプルトニウム返還要求 300キロ、核兵器50発分
共同通信1月26日記事。米政権がプルトニウムの変換を求めているという記事です。核拡散防止政策の一環ですが、日米関係がぎくしゃくする中で、その本意が気になります。
日本経済新聞1月24日記事。エネルギー基本計画案で、原発は「基盤となる重要なベース電源」と表現されました。その「重要」を削除する方向で調整との報道です。パブリックコメントが1万9000通も集まり、それで原発反対の意見が集まったことが一因です。
CNBC(米国の3大ネットワークの一つ)。1月26日記事。オバマ政権の公表文では原子力へのてこ入れがシェールガスの大増産を背景に弱まっています。原題は「Going nuclear—and small—with new type of reactor」。原発は巨大化が進み、現在の最新のものは、出力150万kW程度のものが建設計画中です。逆に数十万kWのものを作ろうとの構想が、米国の研究者によって語られています。
![This page as PDF](https://www.gepr.org/wp-content/plugins/wp-mpdf/pdf.png)
関連記事
-
今年7月から実施される「再生可能エネルギー全量買取制度」で、経済産業省の「調達価格等算定委員会」は太陽光発電の買取価格を「1キロワット(kw)時あたり42円」という案を出し、6月1日までパブコメが募集される。これは、最近悪名高くなった電力会社の「総括原価方式」と同様、太陽光の電力事業会社の利ザヤを保証する制度である。この買取価格が適正であれば問題ないが、そうとは言えない状況が世界の太陽電池市場で起きている。
-
先の国会の会期末で安倍晋三首相の問責決議可決などの政治の混乱により、政府が提出していた“電気事業法変更案”が廃案になった。報道によると、安倍首相は「秋の臨時国会で直ちに成立させたい」と述べたそうだ。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPRはサイトを更新しました。
-
グローバル・エネルギー・モニターという団体が石炭火力発電動向に関する報告書を発表した。 分かり易い図がいくつかあるので紹介しよう。 まず2023年の1年間で、追加された石炭火力設備容量と(赤)、退役した石炭火力設備容量(
-
経済産業省で12月12日に再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会(以下単に「委員会」)が開催され、中間とりまとめ案が提示された(現在パブリックコメント中)。なお「中間とりまとめ」は役所言葉では報告書とほぼ同義と考え
-
前回に続いてルパート・ダーウオールらによる国際エネルギー機関(IEA)の脱炭素シナリオ(Net Zero Scenario, NZE)批判の論文からの紹介。 A Critical Assessment of the IE
-
前回に続き、最近日本語では滅多にお目にかからない、エネルギー問題を真正面から直視した論文「燃焼やエンジン燃焼の研究は終わりなのか?終わらせるべきなのか?」を紹介する。 (前回:「ネットゼロなど不可能だぜ」と主張する真っ当
-
台湾が5月15日から日本からの食品輸入規制を強化した。これに対して日本政府が抗議を申し入れた。しかし、今回の日本は、対応を間違えている。台湾に抗議することでなく、国内の食品基準を見直し、食品への信頼感を取り戻す事である。そのことで、国内の風評被害も減ることと思う。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間