今週のアップデート — アベノミクスとエネルギー負担(2013年2月25日)

2013年02月25日 12:00

今週のアップデート

1)「アベノミクスはエネルギーの負担で失敗か — アゴラチャンネル報告

GEPRを運営するアゴラ研究所は毎週金曜日9時から、アゴラチャンネル でニコニコ生放送を通じたネットテレビ放送を行っています。2月22日には、元経産省の石川和男氏を招き、現在のエネルギー政策について、池田信夫アゴラ研究所所長との間での対談をお届けしました。

原子力規制委員会の活断層認定により、電力会社が経営危機に陥っています。自民党政権は、参議院選挙まで、波風を立てまいと、原発問題に手をつけようとしていません。ところが、経済全般に悪影響を及ぼしかねず、政権の最重要課題「アベノミクスによる経済再生」が失敗する可能性さえあります。

2)「書評・八田達夫「電力システム改革をどう進めるか」— 理論と現実の乖離

提携する国際環境経済研究所(IEEI)の寄稿の転載。専門家グループ電力改革研究会による書評です。価格メカニズムの電力システムへの反映という本の考えを肯定しつつも、それが実現した具合例は少ない事を述べています。

今週のリンク

1)「原電、資金ショート回避 電力大手が支援継続」。日本経済新聞、2月23日記事。原発3基を運営する日本原電が、停止によって、経営危機に陥っています。電力各社は支援の意向です。

2)「避難者の生活再建が最優先 佐藤知事インタビュー」。福島民報2月23日記事。除染を追求することを表明。しかし、それが現実的に可能なのか、検証が必要ではないでしょうか。現状はあらゆるところを除染しており、経費と時間がかかっています。

3)「福島で人は住めない」— 放射能デマ騒ぎの悲しい結末」。アゴラに2月21日寄稿された、ジャーナリスト石井孝明氏の記事。放射能デマを流した人の「その後」という珍しい話を書いています。社会的な制裁を受けてしまった話です。

4)「安全基準を現実運用し国益守れ」産経新聞2月21日記事。京都大学・原子炉実験所、山名元氏寄稿。原子力規制委員会が7月に決めると目標を掲げる安全基準に関して、それを行う事業者との対話、現実的な運用をしない事に疑問を示しています。

This page as PDF

関連記事

  • GEPRの運営母体であるアゴラ研究所は映像コンテンツである「アゴラチャンネル」を提供しています。4月12日、国際環境経済研究所(IEEI)理事・主席研究員の竹内純子(たけうち・すみこ)さんを招き、アゴラ研究所の池田信夫所長との対談「忘れてはいませんか?温暖化問題--何も決まらない現実」を放送しました。 現状の対策を整理し、何ができるかを語り合いました。議論で確認されたのは、温暖化問題では「地球を守れ」などの感情論が先行。もちろんそれは大切ですが、冷静な対策の検証と合意の集積が必要ではないかという結論になりました。そして温暖化問題に向き合う場合には、原子力は対策での選択肢の一つとして考えざるを得ない状況です。
  • 元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 一見、唐突に倒れたように見える菅政権であるが、コロナ対策を筆頭に「Go To」その他やる事なす事ピント外れなことを続け、国民の8割が中止・延期を求めていた東京五輪を強行し、結果
  • アゴラ研究所の運営するエネルギー問題のバーチャルシンクタンクGEPRはサイトを更新しました。
  • 厚生労働省は原発事故後の食品中の放射性物質に係る基準値の設定案を定め、現在意見公募中である。原発事故後に定めたセシウム(134と137の合計値)の暫定基準値は500Bq/kgであった。これを生涯内部被曝線量を100mSv以下にすることを目的として、それぞれ食品により100Bq/kgあるいはそれ以下に下げるという基準を厳格にした案である。私は以下の理由で、これに反対する意見を提出した。
  • 福島第一原発事故による放射線被害はなく、被災者は帰宅を始めている。史上最大級の地震に直撃された事故が大惨事にならなかったのは幸いだが、この結果を喜んでいない人々がいる。事故の直後に「何万人も死ぬ」とか「3000万人が避難しろ」などと騒いだマスコミだ。
  • アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPRはサイトを更新しました。 1)トランプ政権での米国のエネルギー・温暖化政策は? 東京大学教授で日本の気候変動の担当交渉官だった有馬純氏の寄稿です。トランプ氏
  • 「インフレ抑止法」成立の米国・脱炭素の現状 8月16日、米国のバイデン大統領は、政権の看板政策である気候変動対策を具体化する「インフレ抑止法」に署名し、同法は成立した。 この政策パッケージは、政権発足当初、気候変動対策に
  • 日本の防衛のコンセプトではいま「機動分散運用」ということが言われている。 台湾有事などで米国と日本が戦争に巻き込まれた場合に、空軍基地がミサイル攻撃を受けて一定程度損傷することを見越して、いくつかの基地に航空機などの軍事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑