今週のアップデート - 太陽光補助政策は妥当か(2014年11月17日)

2014年11月17日 16:00

アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。

今週のアップデート

1) 固定価格買い取り制度の使命は終わった

池田信夫アゴラ研究所所長の論考です。再エネ、太陽光を補助する固定価格買い取り制度を多面的に分析。その必要について疑問を示しています。

2) 1%減イコール1兆円–温室効果ガス数値目標の本当のコスト

温暖化政策研究の第一人者として知られる杉山大志さんの論考です。ガス削減のコストが合理性を欠いていること、特に1トンの太陽光を削減するのに10万円が必要とされる太陽光発電の補助政策が妥当かと、問題を提起しています。

今週のリンク

1)太陽光6900万kWの負担は39兆円

ウェッジ6月21日記事。朝野賢治電力中央研究所上席研究員の寄稿。太陽光の支援策で、買い取り義務のある20年の間に、どの程度の負担が広がるかの試算です。

2)EFI2014年リポート、太陽光

ドイツの経済研究機関EFIの今年3月のリポート。ドイツが90年代から始めた、太陽光など再エネ支援システムが、イノベーションや経済に役立たなかったとの結論を示しています。

3)第2回 浜岡原発の新基準対応はどこまで進んでいるか

日経テクノロジー11月14日記事。技術評論家でかつて原発の安全対策を行った桜井淳氏の論考。津波対策では現時点で想定される範囲内では、適切な取り組みを重ねているとの評価です。ただし問題点の検証も連載で行うそうです。

4)13年度のCO2排出量、過去最高 原発停止と景気回復で

日本経済新聞11月14日記事。CO2排出量が、原発停止の影響で増加していることを示しています。経産省資料「エネルギー需給実績」。

5)【原子力国民会議】原子力とエネルギーの未来を語り合う

原子力にかかわるさまざまな立場の人が集まった原子力国民会議が12月4日に東京中央集会を行います。その説明と紹介を行いました。出演は諸葛宗男(NPO法人パブリック・アウトリーチ上席研究員)、澤田哲生(東京工業大学原子炉工学助教)の2氏。コーディネーターは、ジャーナリストの石井孝明氏でした。

 

This page as PDF

関連記事

  • 2018年4月全般にわたって、種子島では太陽光発電および風力発電の出力抑制が実施された。今回の自然変動電源の出力抑制は、離島という閉ざされた環境で、自然変動電源の規模に対して調整力が乏しいゆえに実施されたものであるが、本
  • 経済産業省で12月12日に再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会(以下単に「委員会」)が開催され、中間とりまとめ案が提示された(現在パブリックコメント中)。なお「中間とりまとめ」は役所言葉では報告書とほぼ同義と考え
  • 豪州と欧州で停滞する水素プロジェクト 昨年11月のニュースだが、関西電力が丸紅などと豪州で計画していた水素製造事業から撤退するとの報が流れた。プラントや収支計画などの基本設計を詰める中で、製造コストが想定以上に高く、採算
  • 8月に入り再エネ業界がざわついている。 その背景にあるのは、経産省が導入の方針を示した「発電側基本料金」制度だ。今回は、この「発電側基本料金」について、政府においてどのような議論がなされているのか、例によって再生可能エネ
  • 日本にとり、再生可能エネルギーの普及はマストであり、3.11大震災後は世論の支持に基づくものになった。唯一といってもいい国産エネルギー資源であり、自給率5%程度、火力発電の急増で国富が流出し温室効果ガスが増加している状況下では当然である。
  • 11月23日、英国財務省は2017年秋期予算を発表したが、その中で再エネ、太陽光、原子力等の非化石予算を支援するために消費者、産業界が負担しているコストは年間90億ポンド(約1.36兆円)に拡大することが予想され、消費者
  • ポルトガルで今月7日午前6時45分から11日午後5時45分までの4日半の間、ソーラー、風力、水力、バイオマスを合わせた再生可能エネルギーによる発電比率が全電力消費量の100%を達成した。
  • (GEPR編集部より)この論文は、国際環境経済研究所のサイト掲載の記事から転載をさせていただいた。許可をいただいた有馬純氏、同研究所に感謝を申し上げる。(全5回)移り行く中心軸ロンドンに駐在して3年が過ぎたが、この間、欧州のエネルギー環境政策は大きく揺れ動き、現在もそれが続いている。これから数回にわたって最近数年間の欧州エネルギー環境政策の風景感を綴ってみたい。最近の動向を一言で要約すれば「地球温暖化問題偏重からエネルギー安全保障、競争力重視へのリバランシング」である。

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑