地球温暖化からアメリカは逃げ出しているか
![](https://agora-web.jp/cms/wp-content/uploads/2023/06/2023-06-iStock-692000704_030622-660x441.jpg)
Darwel/iStock
アメリカ人は暑いのがお好きなようだ。
元NASAの研究者ロイ・スペンサーが面白いグラフを作ったので紹介しよう。
青い曲線は米国本土48州の面積加重平均での気温、オレンジの曲線は48州の人口加重平均の気温。面積平均気温は過去1世紀で緩やかに上昇しているのに対し、人口平均気温はその2倍も上昇している。
なぜこうなっているか理由は様々あると思われるが、どうやら、人々はテキサスやフロリダの温暖な気候に惹かれているようだ。少なくとも、テキサスやフロリダが「地球温暖化で暑くなって困り大挙して人々が脱出する」という事態にはなっていない。
人々は寒い州よりも暑い州に「足で投票している」。
日本ではどうなのだろう?
■
『キヤノングローバル戦略研究所_杉山 大志』のチャンネル登録をお願いします。
![This page as PDF](https://www.gepr.org/wp-content/plugins/wp-mpdf/pdf.png)
関連記事
-
コロナ後の経済回復を受けて米国で石炭ブームになっている。米国エネルギー省の見通しによると、今年の石炭生産量は6億1700万トンに上り、1990年以降最大になる見通しである(p47 table 6)。 更に、アジアでの旺盛
-
海洋放出を前面に押す小委員会報告と政府の苦悩 原発事故から9年目を迎える。廃炉事業の安全・円滑な遂行の大きな妨害要因である処理水問題の早期解決の重要性は、国際原子力機関(IAEA)の現地調査団などにより早くから指摘されて
-
IPCCの報告が昨年8月に出た。これは第1部会報告と呼ばれるもので、地球温暖化の科学的知見についてまとめたものだ。何度かに分けて、気になった論点をまとめてゆこう。 大雨についてはこのシリーズでも何度か書いてきたが、今回は
-
先日、グテーレス国連事務総長が「地球は温暖化から沸騰の時代に入った」と宣言し、その立場を弁えない発言に対して、多くの人から批判が集まっている。 最近、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の新長官として就任したジム・ス
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 現状、地球環境問題と言えば、まず「地球温暖化(気候変動)」であり、次に「資源の浪費」、「生態系の危機」となっている。 しかし、一昔前には、地球環境問題として定義されるものとして
-
ようやく舵が切られたトリチウム処理水問題 福島第一原子力発電所(1F)のトリチウム処理水の海洋放出に政府がようやく踏み出す。 その背景には国際原子力機関(IAEA)の後押しがある。しかし、ここにきて隣国から物申す声が喧し
-
米最高裁、発電所温暖化ガス排出の米政府規制制限 6月30日、米連邦最高裁は、「発電所の温暖化ガス排出について連邦政府による規制を制限する」判断を示した。 南部ウェストバージニア州など共和党の支持者が多い州の司
-
菅首相の所信表明演説を受けて、政府の温暖化対策見直しの作業が本格化すると予想される。いま政府の方針は「石炭火力発電を縮小」する一方で「洋上風力発電を拡大」する、としている。他方で「原子力の再稼働」の話は相変わらずよく見え
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間