CO2ゼロのための禁止リスト!あなたは耐えられますか?
イギリスも日本と同様に2050年にCO2をゼロにすると言っている。それでいろいろなシナリオも発表されているけれども、現実的には出来る分けが無いのも、日本と同じだ。
けれども全く懲りることなく、シナリオが1つまた発表されたが、これはもはや爆笑モノだ。
レポートを読むと、まず現時点では夢物語の技術が並んでいる。なんでも電化するとかリサイクルするとか。ここまではもうあちこちで見飽きたので細かくは紹介しない。
傑作なのは「ライフスタイルの変更」だ。
曰く、技術だけではなく、ライフスタイルを変えなければ、CO2ゼロは達成できないそうだ。
それで、並んでいるリストを見ると:
- 飛行機禁止
- 船舶禁止
いずれも化石燃料を使うから、まずは禁止しないとダメなんだそうだ。下図の「ロードマップ」で、上から3行目と4行目のところに「進入禁止マーク」があるが、2050年までに飛行機と船舶を禁止するそうだ。
ちなみに電車は許されていて、ユーロトンネルを使って大陸と行き来はできる。
これだけでも恐ろしいが、なんと
- 肉食禁止
たしかに、いま温室効果ガス排出の3分の1は食料に関するものだといわれ、肉食はとくに温室効果ガスの排出が多い。飼料穀物を大量に必要とするからだ。
トラクター、トラック、食品加工、冷蔵、冷凍など、エネルギーを多く使ってCO2が出る。肥料も農薬も製造時にエネルギーを大量に使う。牛や羊はゲップやオナラをしてメタンガス(これも温室効果ガスの1つ)を出すし、肥料は分解されて亜酸化窒素ガス(これも温室効果ガスの1つ)を出す。
しかしだからと言って、イギリスの国民食である牛肉も羊肉も禁止とは!2050年にはベジタリアンになったイギリス人が、海外旅行も物資輸入もユーロトンネルだけに頼ってほそぼそと暮らすらしい。穴に住むピーターラビットじゃあるまいし。
これを政策にしたら、さすがに暴動が起きるだろうね、きっと。
関連記事
-
元静岡大学工学部化学バイオ工学科 松田 智 一見、唐突に倒れたように見える菅政権であるが、コロナ対策を筆頭に「Go To」その他やる事なす事ピント外れなことを続け、国民の8割が中止・延期を求めていた東京五輪を強行し、結果
-
著者はIPCCの統括執筆責任者なので、また「気候変動で地球が滅びる」という類の終末論かと思う人が多いだろうが、中身は冷静だ。
-
先進国では、気候変動対策の一つとして運輸部門の脱炭素化が叫ばれ、自動車業界を中心として様々な取り組みが行われている。我が国でも2020年10月、「2050年カーボンニュートラル」宣言の中で、2035年以降の新車販売は電気
-
最新鋭の「第3世代原子炉」が、中国で相次いで世界初の送電に成功した。中国核工業集団(CNNC)は、浙江省三門原発で稼働した米ウェスチングハウス(WH)社のAP1000(125万kW)が送電網に接続したと発表した。他方、広
-
新型コロナ騒動は客観的には大勢が決したと思うが、世論は意外に動かない。NHK世論調査では「緊急事態宣言を出すべきだ」と答えた人が57%にのぼった。きょう出るとみられる指定感染症の見直しについても、マスコミでは否定的な意見
-
GEPRフェロー 諸葛宗男 今、本州最北端の青森県六ケ所村に分離プルトニウム[注1] が3.6トン貯蔵されている。日本全体の約3分の1だ。再処理工場が稼働すれば分離プルトニウムが毎年約8トン生産される。それらは一体どのよ
-
札幌医科大学教授(放射線防護学)の高田純博士は、福島復興のためび、その専門知識を提供し、計測や防護のために活動しています。その取り組みに、GEPRは深い敬意を持ちます。その高田教授に、福島の現状、また復興をめぐる取り組みを紹介いただきました。
-
グローバル・エネルギー・モニターという団体が石炭火力発電動向に関する報告書を発表した。 分かり易い図がいくつかあるので紹介しよう。 まず2023年の1年間で、追加された石炭火力設備容量と(赤)、退役した石炭火力設備容量(
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間