Googleの日本の1ヶ月後のコロナ死者予測に電卓で対抗してみる
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Googleが、日本のコロナの予測を予測するシステムを公開しました。
グーグル、「COVID-19感染予測」日本版を提供開始–将来28日間の陽性者数などを予測
感染の態様や広がり方(ダイナミクス)の基本条件は、米国版モデルでも日本版モデルでも同様だが、日本版モデルでは、厚生労働省が発表している新型コロナウイルス感染症陽性者数および死亡者数等のオープンデータ、Googleのコミュニティモビリティレポート、平成27年国勢調査結果など日本のデータセットのみを利用してトレーニングしている。陽性者数や入院・療養等患者数、死亡者数、また人々の移動状況について国内のデータを使用しているため、予測結果には国内の感染状況やそれに対する人々の反応、さらに生活環境といった日本独自の状況が反映されているという。
こちらが最新です。
この数字はかなり変動するようですね。
これから1ヶ月で543人亡くなるらしいです。ちなみに本日現在で1902人です。死者数がいまから543人少なかったのは9月5日ですから、70日分の死者数が1ヶ月で出ると予測しています。
で、これはGoogleによりますと
予測モデルの精度検証では、特定の日付までのデータでトレーニングを行った後、その先 28 日間の予測データを出力させ、実測値と予測値を比較しました。たとえば、10 月 1 日までのデータでトレーニングを行った場合は、10 月 2 日から 30 日までの予測値を出力させ、そのデータを同期間の実測値と比較します。検証の結果、一般的な疫学的コンパートメント モデルや検証用の米国データで十分な精度を示した簡易版モデルと比較して、この予測モデルの精度が優れていることを確認しました。さらに 28 日間の予測以外の各種指標についても米国向けモデルと変わらない精度であることを確認しています。
ということです。
で、本日、私は、恐れ多くもGoogle様に対抗して、電卓で1ヶ月後の死者数を推測してみようと思います。
もっともGoogleの予測でも1ヶ月後に543人死亡というのは、イギリス、フランスの1日の死者数と同じですから欧米と比較すると「やった! コロナを抑え込んだ。シャンパンを開けよう」というレベルではあります。ちなみに昨日1日の死者数はフランス625人、イギリス598人です。
ちなみに日本では月に8000人くらいはそもそも肺炎で亡くなっています。そのうちの一部がコロナ由来に変わるだけだと思いますが…。コロナ脳はコロナ以外では肺炎で死なないと思ってるようで、本当に疲れます。
ここから電卓で試算に入ります。
予想される今後1ヶ月の陽性者の増加はGoogle様の予測では50367人です
実は致死率は6月以降だいぶん下がりました。
入院時に軽症だった場合の致死率は 2.6 → 0.5%に
入院時に重症だった場合の致死率は19.4 → 10.1%になっています。
かなりのビッグデータということがわかります
全体の比率は
で、重症は全体で2276人のうち217人でした。
この比率でGoogleの予想感染者の50367人を振り分けますと
軽〜中等症 45565人
重症 4802人
重症の致死率は10.1%なので485人
軽症の致死率は45人
合計すると530人です
Googleの予想とほぼドンピシャ…..www 自分でも驚いた。www
わたしの電卓試算もGoogle並みか。w
ちなみに過去4ヶ月の死者数は
10月188人
9月261人
です。正直こんなに死なれたらたまりません。日本中がまたパニックになり
自殺者が激増しているのにさらにドカンと増えます。そもそも10月は基礎疾患ありの高齢者のコロナの死者数が200人もいかないのに現役の自殺数の増加は614人とコロナ死者の3倍以上です。今年は自殺者が2000人くらいは純増する可能性が大。
それではGoogleの予想が外れるためにはどんな要素が必要が考えてみましょう。
ヨーロッパでは第2波から大きく致死率が下がっている
一足先に第2波がきて、ピークを過ぎたと思われるヨーロッパのデータを見てみます。
こちらがイギリス
こちらがフランスです
どちらも第2波のほうが第1波よりはるかに感染力が強く、死者は少ない。共にピークは過ぎたことが分かります。延べの人数は黒い部分の面積ですから、ざっと計算すると
イギリスは、第1波(6/18まで)の感染者数26万人で死者数は4万人
第2波はいままで111万人で死者1.1万人
同じ感染者数なら第2波は第1波の1/15の致死率
フランスは、第1波感染者数は14万人で死者数は3万人
第2波は180万人で死者1.6万人
同じ感染者数なら第2波は第1波の1/24の致死率
第2波の死者数はこれからもだいぶん増えますが、第2波では感染者が激増しますがその分ピークアウトも早く、感染者の多い分だけの死者は増えますが、致死率が大きく下がっているのでトータルの死者数はだいぶ少なくなることが予想できます。
先日も書きましたが、ヨーロッパで流行っているのは6月にスペインで変異した強烈に感染力が強くなった株という説があり、東大の研究でもその可能性が示唆されました。
日本でもコロナの陽性増えてるけどこの冬はどうなるのを科学的見地で仮説立ててみる
ウイルスは変異して感染力が強くなると、反比例して致死率は下がるのが生物学の常識です。致死率が高いままで感染力が強まると自分も死んでしまうからです。したがって日本のいま爆発的に広がっているコロナが新株だとすると、感染拡大の割に死者は出ないと推測できます。ヨーロッパが良い例なのでこれに期待しましょう。
Googleの試算に第1波の感染者数の補正が入っていないことに期待
日本の第1波です。
第1波の5月15日までとすると16000人の陽性。死者は2週間遅れまで含めると874人です。
ただし日本の第1波の陽性者数は、ご存じのように欧米とは異なり検査を絞り、37.5度以上の熱が4日以上続いた人しか検査していません。検査漏れが相当にあったはずです。
ちょうど5月に「仮に検査漏れがなかったらどの程度の陽性がいたか」を重症と死者数から簡易的に試算しました。
ちなみに何度もいってるとおり、わたしは日本には第2波はほとんど無かったと言っています。目に見える感染者の増加は検査方法を変えて制限をなくしたからに過ぎず、死者の多少の増加は第1波の揺り戻しです。多少は波が来たかもしれないが2波と言えるレベルではなかった。
第1波の陽性者数はもっと実際は多くて2〜4倍はいた可能性があります。しかし都道府県によってどれくらい6月以降にめちゃくちゃな検査をしたのかわからないのでここが正確に出ません。少なくとも東京はめちゃくちゃやってくれました。この数値をGoogleが補正していない場合、致死率は高く出るはずですが、どういう試算かわかりません。
6月までの陽性者数を補正していない場合、実際の死者数はもっと少なくなる可能性があります(累計の致死率が下がるため)。しかしGoogleのサイトを見ますと感染者数の予測は9/19からの数値となっていて、ここから予測されていると望み薄です。はあ。
増加予測がGoogleのようにならない可能性
イギリスと同じなら、第2波は第1波の5倍以上の陽性となります。日本の第1波は16000人だったがこれをイギリス式にすると5万人くらいにはなりそうです。となると、Googleの1ヶ月で5万人増えるという予想は第2波が非常に感染力が強くなっている前提では十分あり得ると思います。
しかしGoogleの最大の弱点は
致死率を6月〜9月で計算している!!
ということ。致死率はどんどん下がってるはずで、しかもいま急に感染拡大しているのが東大の動物実験で判明したような7月以降に蔓延している新株だとしたら、「致死率は旧株で、感染率は新株で計算」ということになるからです。
自分はここ1週間で急に拡大した理由がそれ以外に見当たらないのでここに2000カノッサほど賭けたいと思います。自分の予想では期待を込めて300人以内に収まるとしておきます。根拠となる計算はない。
ちなみにGoogle様の予想では各県の感染者と死者数の予測は
北海道より東京のほうがずっと新規感染者が多い予測なのに、東京は北海道の1/3、大阪は同数で1/2しか死にません。北海道だけたくさん死ぬ予測なのは、やはり第1波時に厳しく締め付けて感染が浸透しなかったからとGoogle様が予測されているものと思われます。東京の死者数は先月と変わらない。w 東京最強です。やはり東北に飛び火したら大変なことになりそうです。
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編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年11月18日の記事より転載させていただきました。
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