今週のアップデート - 京都議定書の失敗を活かす(2015年5月18日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
東北電力の東通原発で敷地内に活断層がある可能性をまとめた有識者会合の報告書を、原子力規制委員会は受理しました。この判定をまとめた記事です。他のメディアはあまり取り上げていませんが、問題のある行政活動です。ジャーナリストでGEPR編集者の石井孝明の論考です。
GEPR編集者の石井の論考です。京都議定書では、日本だけが主要国で負担を受ける結果になりました。日本は温室効果ガスの削減数値目標を今、設定しようと国内で議論が行われています。京都議定書の時のように「見栄え」や「地球のため」という数字を膨らませることは避けなければなりません。
3) 【書評】まねてはいけない「ドイツの脱原発がよくわかる本」
池田信夫アゴラ研究所所長の書評です。川口マーン恵美さんの本「ドイツの脱原発がよくわかる本 日本が見習ってはいけない理由」(草思社)を紹介しました。ドイツの脱原発は試行錯誤が続いています。しかし日本では良いところしか取り上げられません。この本で、その現状が分かります。
今週のリンク
澤昭裕国際環境経済研究所所長、21世紀政策研究所の論考です。産経新聞正論5月15日記事。京都議定書の目標達成をした日本の功績を確認し、冷静な議論によって、日本だけが負担を受ける失敗をなくそうという指摘です。今回のGEPRの論考と似た主張です。
2)原発新基準で2兆3700億円 追加安全対策、13年から4割増
中日新聞5月17日記事。原子力規制委員会の新規制基準が13年7月に施行されました。その対応費用は、10電力で2兆3700億円になったと同紙が集計しました。同紙は反原発の立場で明確にしていませんが、この規制のバックフィットの負担について、法律で明確に決められていません。安全追求は当然にしても、コストを考えない規制は問題でしょう。
産経新聞5月17日社説。北陸電力志賀原発(石川県)の敷地内の断層について、原子力規制委の専門家調査団が、また「否定できず」という見解を表明しました。今回紹介の報告のように、曖昧な回答は廃炉をもたらしかねません。この社説も批判しています。
再エネコンサルタントの宇佐美典也さんの論考です。JBpress5月15日記事。30日にまとまった政府案を分かりやすく紹介しています。原子力が20~22%、再エネが22~24%と一定の幅を持たせる形で決着がつきました。
5)食品の放射線汚染はもう問題ない! 山菜を堪能するバスツアーで味わった福島の現状
川口マーン恵美氏のコラムです。現代ビジネス5月15日記事。GEPRでも紹介した福島県のりょうぜん里山学校(伊達市)で行われた山菜を食べるツアーの報告です。福島で危険はないものの、地域でさまざまな問題が発生していることを紹介しています。
関連記事
-
日本では福島原発事故、先進国では市民の敬遠によって、原発の新規設置は難しくなっています。また使用済み核燃料と、棄物の問題は現在の技術では解決されていません。しかし世界全体で見れば、エネルギー不足の解消のために、途上国を中心に原発の利用や新設が検討されています。
-
東日本大震災から間もなく1年が経過しようとしています。少しずつ、日本は震災、福島第一原発事故の状況から立ち直っています。
-
オックスフォード大学名誉教授のウェイド・アリソン氏らでつくる「放射線についての公的な理解を促進する科学者グループ」の小論を、アリソン氏から提供いただきました。
-
GEPRを運営するアゴラ研究所は、エネルギーシンポジウムを11月26、27日の両日に渡って開催します。山積する課題を、第一線の専門家を集めて語り合います。詳細は以下の告知記事をご覧ください。ご視聴をよろしくお願いします。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギー調査期間のGEPRはサイトを更新しました。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
日本のエネルギーに対する政府による支援策は、原発や再生可能エネルギーの例から分かるように、補助金が多い形です。これはこれまで「ばらまき」に結びついてしまいました。八田氏はこれに疑問を示して、炭素税の有効性を論じています。炭素税はエネルギーの重要な論点である温暖化対策の効果に加え、新しい形の財源として各国で注目されています。
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間