今週のアップデート - 原子力規制と法治主義(2015年9月7日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
中央大学法科大学院教授で弁護士の安念潤司さんに、寄稿をいただきました。安念さんは、公共事業に関する制度作り、法的な分析で知られ、法曹界のオピニオンリーダーの一人である著名な法学者です。原子力規制で、原発の停止、そして活断層問題について、法律上の問題を分かりやすく解説いただきました。
元原子力発電環境整備機構(NUMO)理事で、核燃料サイクルの問題にかかわってきた河田東海夫さんに、寄稿をいただきました。エネルギー問題を短期的に考えるのではなく、長期的なウランとエネルギー源の自給の観点から考えるべきとの論考です。
IAEA(国際原子力機関)が東京電力福島第一原発事故についての、最終報告書をまとめました。そのポイントを紹介しています。事故前の思い込み、対策の重要性、福島で健康被害の可能性は少ないという3つが重要な主張です。
今週のリンク
1)IAEA福島第一原子力発電事故・事務局長報告書 巻頭言及び要約(日本語版)
IAEA。8月31日公開。上記のリポートの要約です。
2)福島第一原子力事故後の安全性向上への取り組みの動向(国内編) (海外編)
原子力産業協会。同協会機関誌の原子力産業新聞9月4日掲載。国内外での原子力規制、安全対策を手短にまとめています。各国とも、津波、重大事故対策を進めています。
NHK5日報道。東京電力福島第1原発事故の影響で、福島県楢葉町に出されていた避難指示が5日解除されました。全住民が避難した7つの市町村で最初になります。課題は残りますが、福島復興の第一歩です。
OECD/NEA(経済協力開発機構・原子力経済局)・IEA(国際エネルギー機関)共同レポート(英語)。要約テキスト。各国の主要発電プラントを比較しています。主な電源で一番安い国と一番高い国を取り上げると、コンバインドガス火力では米国の6.1セント/kWhに対して日本が13.3セント/kWh、石炭火力ではドイツの6.6セント/kWhに対して日本が9.5セント/kWh、原子力では韓国の2.9セント/kWhに対して英国が6.4セント/kWhでした。
産経BIZ9 月4日記事。現在の放射性廃棄物の各国の事情を手短にまとめています。どの国も、その処理について、国内調整が難航している。
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東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所を5月24日に取材した。危機的な状況との印象が社会に広がったままだ。ところが今では現地は片付けられ放射線量も低下して、平日は6000人が粛々と安全に働く巨大な工事現場となっていた。「危機対応」という修羅場から、計画を立ててそれを実行する「平常作業」の場に移りつつある。そして放射性物質がさらに拡散する可能性は減っている。大きな危機は去ったのだ。
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2011年にまとめた報告書の日本語訳。チェルノブイリでは社会混乱が、健康や経済に悪影響を及ぼしたという報告。こうしたリスクを警戒すべきという。
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アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「グローバルエナジー・ポリシーリサーチ(GEPR)」は、12年1月1日の開設から1周年を経過しました。読者の皆さまのご支援、ご支持のおかげです。誠にありがとうございます。
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エネルギーで考えなければならない問題は、原子力だけではありません。温暖化、原発の安全管理、エネルギー供給体制など、さまざまな課題があります。
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