今週のアップデート - 高速増殖炉「もんじゅ」のゆくえ(2015年9月14日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンク「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
日本の核燃料サイクル問題で、高速増殖炉もんじゅは重要な位置を占めています。プルトニウムを使った発電を将来、この技術で行うためです。ところが1995年に運転を開始した後で、のに、長期に停止しています。この現状と必要性を、元原子力メーカーの技術者に解説いただきました。
この問題は、賛成と反対双方の議論があります。この問題の原稿をGEPRでは募集しています。連絡は担当石井(ishii.takaaki1/gmail.com /を@に)まで
電力自由化の中で、電力の発電者、消費する企業が取引市場の必要性が出てきました。未来の価格を売買する先物市場の創設が検討されています。東京商品取引所の浜田隆道新社長に話を聞きました。同所はLNGや原油市場も運営しています。原料と小売の価格が固定されていたエネルギー業界が、規制緩和で大きく変わろうとしています。
9月10日に北関東、11日に東北での豪雨で、水害が広がりました。一日も早い復旧を祈ります。鬼怒川の氾濫の一因が、太陽光の乱開発である可能性が出ています。丘を削ったところから水があふれたもようです。太陽光開発は建築基準法が適用されないなどルール作りが未整備です。
今週のリンク
朝日新聞9月3日記事。原子力規制委員会は、もんじゅに対して、大変厳しい審査を行っています。また事業者の日本原子力研究開発機構も適切な対応をしていません。もんじゅの先行きは、かなり厳しいものになりつつあります。
経産省15年7月公表。電力自由化に合わせ、現在の相対の市場に加えて15ヶ月先までの注文を出せる先物市場が、経産省、電力会社、東京商品取引所の間で検討されています。
GEPRの編集者の石井孝明の寄稿。ニューズウィーク日本版9月11日記事。原子力規制が、設備を増やすだけで、何が重要なのかを精査していないという分析です。
4)ケニア:原子力導入計画で中国と協力覚書、「華龍一号」設計の建設可能性を協議
原子力産業協会新聞9月10日記事。中国広核集団(CGN)がケニアへの原発輸出に意欲を見せています。中国のエネルギー産業の営業活動の活発さが印象に残りますが、技術基盤のないアフリカでの原子力の活用は大丈夫なのでしょうか。
5)世界の放射性廃棄物の貯蔵場も選択肢に-産業低迷のサウスオーストラリア州
ブルームバーグ9月7日報道。豪サウスオーストラリア州では、産業振興のため、広大な砂漠を利用して、世界の放射性廃棄物の受け入れなどが政策課題として検討されているそうです。他国が注文すべき話ではないですが、注目すべき動きでしょう。
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GEPR編集部は、ゲイツ氏に要請し、同氏の見解をまとめたサイト「ゲイツ・ノート」からエネルギー関連記事「必要不可欠な米国のエネルギー研究」を転載する許諾をいただきました。もともとはサイエンス誌に掲載されたものです。エネルギーの新技術の開発では、成果を出すために必要な時間枠が長くなるため「ベンチャーキャピタルや従来型のエネルギー会社には大きすぎる先行投資が必要になってしまう」と指摘しています。効果的な政府の支援を行えば、外国の石油に1日10億ドルも支払うアメリカ社会の姿を変えることができると期待しています。
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今年7月から再生可能エネルギーの買取制度が始まります。経産省からは太陽光発電で1kWh42円などの価格案が出ています。この価格についての意見を紹介します。
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