今週のアップデート — 電力危機、経済への直撃(2014年3月31日)
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクである「GEPR」(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
経済学者である池田信夫アゴラ研究所所長が日本の経済構造から、原発停止の影響を分析しています。原発の停止は、金融緩和と円安をうながす自民党政権の「アベノミクス」、そしてエネルギーの国際価格の上昇と重なって、日本経済に悪影響を与え始めたことを分析しています。この視点からの原発停止の影響を懸念する声が、日本に広がっていないのは問題でしょう。
2)福島原発事故、人手不足の解消のために・その1 作業の下請け問題
元日本原電幹部の北村俊郎さんの論考です。全3回。北村さんは福島で原発事故に被災し、また原子力の現場にかかわった経験があります。その分析は貴重です。
3)原発事故、福島で甲状腺がんは増えていない-報道ステーションの偏向報道を批判する・上
4)ゆがんだ情報をなぜ拡散するのか?-報道ステーションの偏向報道を批判する・下
テレビ朝日系列の報道ステーションが3月11日に、福島で原発事故の影響により甲状腺がんが増加している可能性があるという報道をしました。これは繰り返し議論された論点で、「事故の影響はない」ということで、専門家は一致しています。これを検証しています。
今週のリンク
1)日本は「貿易立国」を卒業したが、安倍政権はそれを知らない
池田信夫アゴラ研究所所長のニューズウィーク日本版への3月6日付の寄稿です。GEPRには、エネルギーに絞って問題を考えた寄稿を掲載しましたが、産業構造などそれより広い視点から分析しています。
福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センターの、今回掲載した報道ステーションで取り上げた内容についての説明です。こうしたメディアへの反論は、速やかに、そして積極的に行われるべきでしょう。
韓国の保守系の新聞社、中央日報の社説です。同国では、甲状腺がんの検査をしすぎて発見が増え、患者の不安の広がり、そして手術の増大が社会問題化する兆しがあります。その是正の主張です。原発事故を受けて福島県で行われている詳細な健康診断によって、同じような問題が起こりつつあります。
4)原発は推進か縮小か–エネルギー基本計画に表れた現政権の思惑
柏木孝夫東京工業大学特命教授の日経BP3月31日の寄稿です。有識者として、エネルギー基本計画の策定に関わっている経験を紹介。批判を受け、分かりにくい表現が改訂されていること、原発について柏木氏は存続を主張していることが記されています。
時事通信3月29日記事。トルコなどへの原発の輸出を促す、原子力協定について、国会で議員の意向が割れています。与党の自民、公明両党は賛成であるものの、疑問視する声が多い状況。野党でも意見が割れています。この議論の混迷は、国民の意見を反映したものでしょう。
関連記事
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
-
福島原発事故をめぐり、報告書が出ています。政府、国会、民間の独立調査委員会、経営コンサルトの大前研一氏、東京電力などが作成しました。これらを東京工業大学助教の澤田哲生氏が分析しました。
-
福島第1原発事故から間もなく1年が経過しようとしています。しかしそれだけの時間が経過しているにもかかわらず、放射能をめぐる不正確な情報が流通し、福島県と東日本での放射性物質に対する健康被害への懸念が今でも社会に根強く残っています。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
-
表面的に沈静化に向かいつつある放射能パニック問題。しかし、がれき受け入れ拒否の理由になるなど、今でも社会に悪影響を与えています。この考えはなぜ生まれるのか。社会学者の加藤晃生氏から「なぜ科学は放射能パニックを説得できないのか — 被害者・加害者になった同胞を救うために社会学的調査が必要」を寄稿いただきました。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクであるGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)は、サイトを更新しました。
-
アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクであるGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。(2013年12月2日)
動画
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間